和気の藤まつりに行って来ました。
全国各地の有名な藤が集められ、見渡す限り藤の花という圧倒される程広大な藤棚の下を自由に歩き回ることができる公園です。藤まつり期間中は夜間ライトアップされ、昼間とは一味違う幻想的な表情の藤を見ることができます。
夕焼けの少し赤味がかった空の下で入園しました。次第に暗くなる中、心地良くやや肌寒いそよ風と甘い香りに包まれながらどんどん奥へ進んで行きました。色取り取りの藤というと不思議に思うかもしれません。ですが、集められた各地の藤はそれぞれ独特に色合いを違えていて、本当に色取り取り。見る者を飽きさせません。歩く程に次々と表情を変える花の簾をくぐっていると、辺りは更に暗くなり、散策中の人の群れは気配だけ残して闇に紛れていき、ライトに照らされた藤だけが優しい色で輝き始めるのでした。
公園の一画にひときわ高く作られた棚がありました。そこを訪れた頃にはもうすっかり夜になっていて、隣を歩く人の顔も分らない程に暗くなっていました。その中で、顔を上げて見なければならないくらい高いところから、光をまとった藤が天から降ってくる様に人々を包み込むのでした。その光景に僕らは思わず息を飲んで暫くその場で立ちすくんでいました。その時僕の頭に浮かんだのは、
「これは宇宙だ」
という言葉でした。現代ではなかなか見られなくなった天の川。子供の頃にお祖父ちゃんの家で真っ暗な山中に輝いていた天の川の記憶に重なって、この花の天井が遥か宇宙の星にも思えたから…。
満天の星ならぬ満天の藤。
花摘み会が終わってホッとしていた時に訪れた思わぬ感動でした。
この記事で興味を持たれた方は、「花摘み会」の帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょう?藤もスイートピーと同じマメ科なので、花も同じ形です。よく見るとサヤエンドウのような小さなサヤも付いていて、また違った驚きもあると思いますよ。