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魔女のお茶会

今年も花摘み会のワークショップ、最後はやっぱり『魔女のお茶会』で〆です。

如月マミー(@neutral_aromaproduce)先生と赤坂真里(@chez_kumari)先生。このお二人の魔女さんが醸し出す独特の空気が、スイートピーの華やいだ香り漂う農園の空気と相まって、不思議なエネルギーを放ちます。多彩な香りとスイーツの甘さ、そして二人の言葉が、あたかも日常で積もった心の埃をスッと溶かしてくれるように、ゆっくり機能し始めます。

実は最近までお二人ともちょっとした事件の中にいました。マミー先生はコロナ感染により、犬並みの鋭い嗅覚を麻痺させられ、とても辛い思いをされていましたし、真里先生はお気に入りのクラシックミニが走行中にタイヤが外れて、あわや大事故になるところだったし。

幸いマミー先生は通院治療の甲斐もあって、嗅覚が常人以上にまで戻って来ました(とはいえ、犬並みの能力までにはもう少しかかるそう)。真里先生はけが人もなく、愛車もなんとか修理可能だということで、整備工場で部品を待って修理中です。

 

でもお二人とも、そんなことはちっとも感じさせない。やりたいことに全力投球、ストレートに慢心されてます。

真里先生のシェ・クマリのお菓子は、常に進化しているんです。採算度外視で、材料が通常ではありえないくらい高級品だったり、通常かなり手間のかかる行程でも、さらに手間を惜しまずかけて完璧にバランスさせたりと、本当に美味しいものを提供したいという思いに満ちています。さらに美味しくしたいと日々研鑚を積んでるから、いつも睡眠時間がなくなったり、立ちっ放しで足がパンパンにむくんだり。これはもう愛なのだと思うんです。

 

お店のクマさんに、愛車のジョニーに、そしてお菓子の一品一品に。いろんなことに彼女のそうした愛が注がれています。それがシェ・クマリ。

一方、マミー先生は嗅覚を失った時、そのまま回復がなければ廃業も覚悟していたようです。今は回復して、すっかり常人以上に戻ったのですが、以前の能力まで完全に戻すために、病院でいくら検査しても、ドクターに

「すまないが、あなたはすでに常人以上の値で、これ以上何もできないし、全く問題ありません」

と言われてしまったと笑って話してくださいました。この日も、常人では全く分らなくなるような複雑な香りを、数十本のアロマを自在に操り、参加者の希望を考えて、的確にアドバイスされていました。

「一度全て失ってしまったからこそ、それが戻って来た時、世界が輝くような香りに満ちているように感じたんです。一度失ってみたことも良い経験でした」

そんなことをおっしゃっていました。

この日も世に一つしかない香りが無数に生み出されていました。参加者さんたちの真剣な目と、楽しそうな笑い声と、弾けそうな笑顔が、その本質を物語っています。『魔女のお茶会』って、やっぱり愛という魔法がかかる場所。

 

photo by @chez_kumari

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