夜間飛行をリリースした時もそうだったけれど、僕たちは仕事の中に旅を意識していることがよくあります。まだ出会えていない素敵な景色や人々。イメージの中で翼を自由に広げて考えてみる。時にはたぶん一生行くことはないだろう遠い異国の文化を思ってみたり。

自分たちが良いと思って作った花たちを、いろんな場所のお客様に、いろんなシーンで使ってもらいたいから、せめて自信を持てるスタイルで送り出してあげたいんです。

独立が決まって出荷箱を考えていた頃、花が傷まないとか、ゴミを増やさないとか、解体する手間をかけさせないとか、資材も環境を考慮したものにするとか、物理的な問題をクリアしたかったけれど、もう一つ夢は欲しいなって思っていました。

だから、うちの出荷箱のイメージは旅行カバン。ベルトを解く時、お客様はどんな表情でいらっしゃるのだろう。長い旅をして来た花たちと出会って、ワクワクしながら、いろいろ語ってくれるといいなあ。そんな夢を込めて、いつも最後にベルトを締めています。