フランスから、あのパリスタイルの斎藤由美さんがいらっしゃいました。パリ在住の先生は、今回日本ツアーの途中に、農園でファンとのスペシャルイベントを用意してくださったのです。
案の定、ただでさえ大人気の先生。たった5分で全ての席が埋るという過熱ぶり。僕らの準備も、用意した炭に引火しそうに気合い入ってましたよ。
で、この写真です。金網を前にトングを持って微笑む一枚。
「え? なんで?」
「他にもっと良い写真あっただろ!」
って叱られそうですけど、これでいいのです。実はこれには訳があるから。
とはいえ、まずはお花のことを。いえ、その前に会場のことをお話しましょう。
この日は早朝から大荒れで、しかも落雷まであったのです。
「いや~、参ったなあ。どうしよう?」
僕らが事前に準備してきた会場は全て使えそうにない。それどころか次第に風雨も強まっていました。
「こうなったら、会場ごとハウス内に引っ越すぞ! 頼むぜ、野郎ども!」
とばかり、朝から『ファーム引越センター』が始動しました。そして必死の作業の甲斐もあって、先生をお迎えする時刻ぎりぎりで何とか終了。
こうしてハウス内には、打ち合わせ通り全長5.5mの長テーブルと、BBQ焼き場。そして『ウクレレとうたたね』ビニールハウス店ができあがったのでした。
先生自ら華麗な体裁きで欲しい花材を摘み、早速デモンストレーションが始まりました。
まずは切り揃えたお花を、「これは怒られるかもしれないけど…」と言いながら、逆さまに花瓶の水にシュシュッと入れて…えっ? 嘘でしょ? って思っていたら、
あっと言う間に完成。とにかく全てが美しい。先生は所作も姿勢も、そして笑顔も本当に美しい。さらに作品は、水中も含めて、まるで生えていたお花そのままの姿を切り取られたように、生命感を持って生きている。花農家としては、これは嬉しい。
「なるほど、これがシャンペトルなのか」
すっかり感心してしまった。
そうこうしてると不思議なことに、天気予報に反して天候はみるみる回復して、雨が止んでしまったのです。
「やっぱり先生は持ってるなあ」
天候まで味方にしてるんだから。
その隙をついて、参加者の皆さんは花材を探しに付近の散策へ。ハウス内のスイートピーも思い思いの色で摘んで。そして先生は焼き場で炭をおこしています。サチエ先生とアイリさんもお手伝い。サチエ先生がアウトドアも好きだとおっしゃっていたのは意外でした。(長靴とデニム姿、本当にカッコ良い!)
その後全員でテーブルを飾って…
これが完成形。凄い! なんだか農園が貴族の晩餐会みたい。ここからはプライベートなパーティータイム。美味しいお食事と楽しいおしゃべりを…。
この日のために用意された厚さ約3cmのサーロインステーキ。先生自ら焼いていきます。
今回はスペシャルイベントということで、テーマは、野花とスイートピーを使ってテーブルを装花して、その後は先生自らお肉を焼いてそのテーブルでBBQを楽しみたいと企画された、正真正銘マジでスペシャルなイベントだったのです。
華麗なトングさばきと、完璧な火加減。
と、ここで船穂町のワイン醸造家、松井一智さん(@grapeship )が、最近では人気過ぎて滅多に手に入らない自慢のワインと新開発のワインのオリで作ったビールを手に登場。さらにデザートは最近オープンしたあの@maison_n_patisserie のタルト。(そうそう、お二人とも凄腕の職人。そういえば、どっちもフランス帰りなんですよね)
こうして宴が始まり、参加者の笑い声と歓声が続いていったのでした。とにかく先生もスタッフも楽しそう。あ、ちなみにお裾分けに頂いたステーキですが、アルジがこれまで食べたどんなステーキよりも美味しかったです。デザートもワインも最高でしたよ。
photo by @ayakosuehiro