豊かで肥えた土というと、肥料分の豊富な土というイメージがありますが、アルジはこの他に微生物の豊かさも大事だと感じています。微生物が豊かならば、土の肥料分を植物が吸収する手助けをしてくれたり、根の生長も手助けしてくれて、作物はより豊かに育ちます。
さらに病害菌の密度を下げて発病し難くしてくれるし、土を柔らかく空気が通り易くしてくれたり、肥料分が逃げないようにしてくれたり、様々な利益をもたらしてくれます。
ですが微生物が活き活きしているこの状態を維持することは意外と難しいんです。日常のメンテナンスが欠かせません。ちょうどヌカ漬けの床の様なものです。メンテナンスを怠れば、すぐカビが生えて使えなくなります。毎日毎日愛情を込めて管理しなくてはいけませんが、それさえ出来ていれば、ずっと美味しいヌカ漬けが食べられます。
ファームが土壌消毒をやめて二年目は、土が柔らかく変化していることに驚いたアルジでしたが、三年目の今年はそれより更に柔らかく変化していました。耕運機の負荷がまるで変わりました。今まで届かなかった深い部分まで耕すことが出来るんですから。
これこそが農家の資産なんだと思うんです。土壌消毒を続けていたら決して得られませんでした。そしてこの資産は年を追う毎にさらに価値を高めてくれます。これを是非とも将来に繋げていきたいと願っています。