「さあ、帰ろう。今日も頑張って働いたなあ…」
ハウスを後にする時、畑のマリさん(マリーゴールド)を一輪摘んで、手袋と一緒にダッシュボードにポン。ドスッと乱暴にシートに座り込むと、心地よく疲れた体にほのかなマリーゴールドの香りが染みていく。少し尖った、その中にわずかに甘みを含んだ爽やかな香り。そうだ、これはちょうど上質のスパークリングワインのようじゃないの。
不思議なことに、この香りがたった一つあるだけで、疲れが消えるのではなく、それが安らぎに変わっていく。お金では得られない豊かさの一つなんだと思う。
フロントウィンドウにこの花と似た夕暮れのオレンジ色を映して、車を家路に向かわせるちょうどその時、ラジオでかかっていた曲はHonestyでした…。
こういう時はホント「農家最高!」と思うんです。アルジ流農村生活の一ページです。