アルジの植物道楽

シンボルツリーの変身と、アルジの闘いの始まり

春は季節の移ろい方が速いと、毎年そう感じるんです。

当園のシンボルツリーの桐の木は、花摘み会開催前には蕾もまだ硬く、咲く気配さえ無かったのに、開催とほぼ同時にみるみる蕾を膨らませ、会期後半には淡い藤色の花を満開にしてお客様をお迎えしてくれました。(スタッフと一緒にお客様をもてなしたかったのかも知れませんね)そして会期終了後はアプローチ上にたくさん花を落とし、今度は出勤するスタッフを楽しませてくれました。その子ももう来たる夏に向けて葉っぱを繁らそうと次々新芽を展開させています。以前お話しした様に、本当にしっかり者なんです。

「休みも取らないで頑張ってるね、キリちゃん。今度は台風からハウスを守ってね」

いいえ、このキリちゃんだけでなく、このわずか半月の間に目まぐるしく変わっていく植物たちを見ているのは本当に楽しいし、ワクワク、ウキウキしてきます。農家になって良かったと思えることの一つなんですよね。

まさに『生命の躍動』と言えばお伝えできるかなあ。

ただ、良い事ばかりじゃないんですよね。しょっちゅう雑草を刈ってあげないと、ハウスが植物に飲まれてしまうから。よく地場の農家さんが「山に帰る」と言う言い方をするんです。信じられないかも知れませんが、本当に二、三年放っておくだけで完全にハウスが見えなくなってしまうくらい、草だけじゃなく、雑木も生い茂ってきて、周辺の山と区別できなくなるんです。

僕たちにとっては、暑い中での戦いの日々でもあるんですよね。

それが嫌で除草剤に頼る農家さんも多いんです。でも発癌性を疑われていたり、何より除草剤を使うと土壌の生物が激減するというレポートもあって、当園では使っていません。でもしょっちゅう草刈りをしていると、綺麗な芝生の様に自然に足の短い草になっていくというレポートもあります。ちょうどヨーロッパの牧草地帯の様に変わっていくのだそうです。僕もそれに挑戦中なんですが、まだまだ時間がかかりそうです。

それまで体力が持つかなあ…。(笑)

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